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Pov! vol.3 川田十夢さん(AR三兄弟:長男)

Pov!の第3回は、AR三兄弟の長男ことALTERNATIVE DESIGN++の川田十夢さんです。AR三兄弟っていったい何?っていうところから、川田さんの人間性がわかるような質問を色々と投げかけてみました。※そもそもARって何?って人も、まずはこのインタビューを読んでみてから「AR(拡張現実)」を検索してみて下さい。

◇AR三兄弟の長男ってことは、次男や三男がいるんですか?

- SCHEMA 志連 (以下、SCH)
川田さんとはもともとtwitterがきっかけでコンタクトを取るようになったんですよね。その時初めてALTERNATIVE DESIGN++のサイトを見てAR三兄弟のことを知り「この人達すごいな!」っていう衝撃を受けてだいぶテンションあがりました。
- 川田さん (以下、Tom)
笑。ありがとうございます。
- SCH
さっそく色々とお聞きしたいんですが、スキーマのサイトはあまりWEBの知識があまり高くない人でも楽しめるサイトにしたいので、技術的なこととかあんまりわからない人にも噛み砕いてARのことを教えてもらえたらなぁーって思っています。

川田十夢01

- SCH
で、さっそくAR三兄弟の話なんですが、AR三兄弟って今は公式サイトで第3話まで公開されてますけど、タイトルは第8話まで公開されてますよね?(2009年7月27日現在) AR三兄弟の今後の展開はどうなるんでしょうか?
- Tom
カヤックさんなんかだとみんなで集まってブレストするらしいですけど、うちの場合は僕が一人ブレストをして最初に技術的なところを掘り下げるんです。新しい技術をいかにダメなテイストにもっていけるかっていう感じで考えます。笑 AR三兄弟の場合は、どうすれば“AR”のことをみんなにわかっていってもらえるかって流れで考えてるんですよ。なので、すでに10話まで構想が固まっています。
- SCH
なるほど。だからAR童貞の僕にも入りやすかったわけですね。笑 せっかくなんで第一話から少しお話を聞かせてもらってもいいですか?
- Tom
まずARで何かをしようと考えた時に、ARで有名な“セカイカメラ”と徹底的に違うことをやろうと思ったんですよ。セカイカメラの場合はタギングをアプリケーションで可視化するっていう世界観なんですけど、AR三兄弟はWEB上にある余分に蓄積されている情報とかツールを可視化することをやろうと思っていて、その考えがベースであるんです。一番わかりやすいのがtwitterとの連携だと思うんですけど、例えばtwitterのアイコン画像とかつぶやいている言葉とかひっぱってこれるので、まずはその情報を使って何が出来るかって考えた時に「ど根性ガエル」を閃いたんです。ユーザーがtwitterに登録しているアイコンがT-shirtsに投影される仕組みです。そのためだけにAR用T-shirtsを作りました。
- SCH
T-shirtsとかすぐに作ってしまう行動力がいいですね!

◇AR三兄弟 第一話 | ワンダとtwitterと優しい奴ら

- Tom
AR三兄弟の次男がファッション系と映像系が得意なので、そんな感じで役割分担が決まってくるんですよ。三男は僕が作った設計をもとにアイデアを形にしてくれます。

AR三兄弟の展開として、1話ごとに技術的なものを1つ以上追加していこうと思っているんです。第1話は、twitterとのマッシュアップでど根性ガエルを作ってみる。川田十夢02第2話は、twitterとのマッシュアップをベースにしつつ、ペパボのdaiskipさんが作った自分の生い立ちを登録できるnenpyoってサービスがあるんですけど、そのnenpyoのAPI情報を実装しました。WEBカメラに名刺を向けるとピョコっとキャラクターが出てくる仕組みになってます。第1話は「ど根性ガエル」でしたが、第2話は「南君の恋人」をテーマに作りました。手乗りキャラクターってことだけですけど。笑
そして、第3話はドラクエをテーマに作ってます。これ面白いのが勝手にtwitterのuserIDを入力して対戦させて遊ぶとその結果が本人にもtwitterのReTweet機能で通知されるんですよ。ちゃんと勝敗結果が○×でつくので、間違いなく「これ、なんなんだ?」って本人たちが思うと思うんですよね。笑
これは結構おもしろい仕掛けなんじゃないかなぁーって思ってるんですけど、ちょっとバズっぽいっていうか、どっちかというとスパムっぽいですよね。笑
- SCH
確かに、知らないところで誰かが勝手に遊んで、負けた情報ばっかりが通知されるのは相当嫌ですね。笑
- Tom
そうなんですよ。でも、例えば今話題の広瀬香美さんとか勝間和代さんとかを戦わせたり、あとダダ漏れ新旧対決ってことでトミモトさんそらのさんを戦わせてみたりとか。たぶん、本人達はよく思わないと思うんですけど、面白いかなぁーって思って。笑
- SCH
そうですね。確かに面白いんで話題になると思います。ただ、ちょっとしたテロ行為ですよね。
- Tom
まぁ、AR三兄弟がそういう感じで、くだらないことをやり続けるユニットでありたいんですよね。なので、twitterの中で「あいつら最悪」みたいに叩かれてもいいので、話題をtwitterの外やWEBの外にもっていきたいんですよ。WEBの中だけだと面白くないんで。
- SCH
なるほど裏テーマっていうか、本当の狙いはそこにあるんですね。AR三兄弟、実は深いですね。
- Tom
そうですね。拡張現実って言うからにはちゃんとWEBと現実をつなげたいっていう感じですね。って言いながら、ほんとはそんなに深くは考えてないですけど。笑 そうやって言った方が格好いいのかなぁーって思って。
- SCH
でも、その大義名分があるとさっきのスパム行為も正当化できそうな気がしますね。
- Tom
どっかで怒られたら、やめようかなーって思ってます。とりあえず、AR三兄弟の長男としてセカイカメラの井口さんと戦ってみようかなぁーって思ってるんですよ。どっちが頓知が利いているか対決ってことで。100%負けるんですけどね。笑
それには、ちゃんとした理由があって、例えば、会心の一撃の確率を決める命中率がtwitterのfollower数÷発言数だったり、どれだけ他人の発言をお気に入り登録しているかで素早さが決まります。さらに、WEBスカウターっていうサービスがあるんですけど、そのAPIを使ってプロフィールに載ってるURLから取得した数値を経験値とかHPとかMPに置き換えてるんです。なので、勝敗については結構信憑性はあると思います。さらに、そのURLがはてなとかデリシャスでどれくらいブックマークされているのかとかも拾ってるんです。だからWEBでの影響力が大きい人ほど強いんですね。
- SCH
だいぶ手がこんでますよねー。そしてすごい仕組みだと思います。過去にここまで手のこんだバトル系のマッシュアップサービスって見たことないですね。
- Tom
そうですね。自分的には、効果音とかもちゃんとオリジナルで作っているんで、そこが他のサービスとは違う点だと思ってます。会心の一撃の音とか作るの超難しいんですよ。一応ドラクエから大元はパクっているので構造上パクりといえばパクりなんですけど。笑
まずドラクエ3の会心の一撃の音をまず録音して、録音した音の波形を引き伸ばしてゆっくり再生するんです。ほんとは、とぅるる♪ピシュピシュ!って音なんですけど伸ばすとブ、シュ、シュ、シュ、シュ、みたいな。笑
- SCH
それすごいですね!そこまで自分たちで出来ると楽しくてしょうがないですよね。アイデアと技術のシンクロ率が半端ないです。それもアイデア自体がエッジがきいてますからね。

◇AR三兄弟 第三話 | 風の谷の三丁目のRPG

- SCH
でも、ちょっと僕が思ったのは、川田さんにとって何が制作のモチベーションになってるんだろーっていうところがすごく疑問なんですけど。その辺はどうなんですか?
- Tom
なんなんでしょうね。笑

川田十夢04
※AR三兄弟は、公式サイト(http://ar3.jp/)でCheckIt!

◇AR三兄弟以外の活動は?

- Tom
三兄弟みんな音楽が好きなんですよ。ギターとかキーボードとかDTMとかもやるんですけど、どうも最近の音楽って画一化されてきているのを感じて、クオリティは高いけどそのソフトを使っている時点で楽曲が決まってきちゃうとこがあって、それが面白くなくって。だから音のソフトを作ってしまおうってことで色々と作ってたりします。

今度【sc.ratt.ch】っていう音楽ソフトをリリースするんですけど、タッチパッドでスクラッチが出来るものをアクションスクリプトで作ったんですよ。これを作った時に、音を逆回転できるのが面白かったんで「逆に【g.ratt.ch】」っていうサービスを作ったりとか、あと回転数でテンポを変えれるんだったら、ヘリウムガス吸った声みたいなことも表現出来るよねってことで【he.ratt.ch】を作りました。まずは音楽ソフトとして推すんじゃなくて、ちょっとくだらない方向性で世の中に出した方がいいんじゃないのって話で展開させてるんです。
- SCH
あ、じゃぁIDEA*IDEAでヘリウムおじさんが紹介される前にこのソフトは完成していたんですね。
- Tom
そうです。ヘリウムネタで何かやりたいって思っていて、それをどうしたらみんなに伝わるのかって考えてたところに、田口さんの書いた記事を見たんです。それで【he.ratt.ch】を作りました。
- SCH
あの動画は普通に面白いですよね。ちなみに【he.ratt.ch】のおじさんのイラストが絶妙なタッチなんですがあれは誰が描いたんですか?
- Tom
あれは、僕が描きました。川田十夢05
- SCH
そうなんですね!あの下手ウマ感ってなかなか狙って出せるもんじゃないですよね。
- Tom
ちゃんと絵の勉強をしてきたわけじゃないんで、ちゃんとした絵が描けないんですよ。みんなああいうテイストになっちゃうんです。」Adobe Recordsのコンテストでインタラクティブアート部門 最優秀賞を取ったやつもそうですよ。
- SCH
この賞はTOMATOの長谷川踏太さんの目に留まって受賞したんですよね。これは、インパクト勝ちですよねー。
- Tom
前に、音景2008ってコンテストで小山田圭吾賞を取ったりもしてるんですよ。AR三兄弟って結構すごいですよね。笑
- SCH
すごいと思いますよ。笑 普段やられている音楽はコーネリアス系なんですか?
- Tom
いや、全然普通ですよ。ギターで普通に弾ける音も好きなんですけど、でもそれだとミュージシャンには敵わないんで、自分たちらしさを出すためには楽器から作った方がいいだろうなってことなんです。せっかくプログラムが出来るので。
- SCH
その発想が他の人と違うところですね。

川田十夢03

◇どこまでが本当なのか?!川田十夢年表。

- SCH
ちなみに、川田十夢っていうのは本名ですか?
- Tom
本名ですよ。
- SCH
そうなんですねー。格好いいですね!
なんか、今回色々とお話を聞いて思ったんですけど、AR三兄弟もそうですし【g.ratt.ch】や【he.ratt.ch】もそうですが、どれも川田さんの色が濃く出てる気がしますね。このnenpyoをみても、やっぱりどれも面白いですもんね。この中の「兄妹でかめはめ波の朝練はじめる。」ってなんですか?
- Tom
これは小3くらいの時に毎朝6時くらいに起きて、兄妹で塀にむかってかめはめ波を打ってました。1年間続けても出ないから兄ちゃんとしてはそろそろ出さないとまずいなって思って、妹が起きるちょっと前に起きて塀を少し削っておいたんですよ。そしたら「お兄ちゃん!これどうしたの!?」って言われて「ちょっと、出た」って言って。笑 そのうちバレてそれ以来信頼を失うっていう。
- SCH
心温まるエピソードですね。笑
他にもこのnenpyoは突っ込みどころが結構いっぱいあって、昔からだいぶ浮いてた子だったのかなぁーって思うんですけど、なぜそうなったんでしょうね。
- Tom
最初、自分の立ち位置を見つけられなくて、誰もやってないことをやらなきゃいけないみたいな先入観がずっとあったんですよ。十夢って名前なんで、普通のことやってて「普通じゃん」って言われるのが嫌だったんです。何回か引越を経験したんですけど「転校生がトムって言うんだって!」って言いながらみんなが教室に見にくるんですよ。でも、外人だと思って見にきてるのに実際は“ド日本人”だったっていう、その反応をみるのがほとほと嫌になって。それで、ちょっと変わった奴の方がいいなぁってのはずっと思ってました。
存在を出す時に運動ができるわけでもないし勉強ができるわけでもないので、ちょっと人と変わってる発想をすることくらいしか出来なかったんです。
- SCH
なるほど、その辺に今のルーツがありそうですね。
- Tom
今はいろんな人と会うのが楽しいし、いろんな人に会うためには自分達が人前に出てった方が沢山出会えるので。その反動で引きこもりたくもなるんですけどね。その繰り返しですよ。笑

川田十夢06
※川田十夢さんのnenpyoコチラ




- 編集後記 -
衝撃でした。僕の中ではここ10年で一番衝撃を受けたと言っても過言ではないくらい強い人間力を感じました。川田十夢さんを説明するなら異国の人に感じるようなそんな雰囲気を感じます。例えば、外国の空の青さって日本と違うじゃないですか。それと同じで青く突き抜けた空気感を持っている人だと思います。どこか普通の日本人とはちょっと違う発想をする人です。ぜひみなさんにも実際に彼に会ってみて独特の雰囲気を感じて欲しいです。

※余談:三兄弟のエピソードについて語る長男。(音声にてご紹介)

Author : shiren


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  1. 2009/08/11 10:24 AM
    Commenter : AR家族会議 <2009年09月06日(日)>開催!! « SCHEMA

    [...] 2009/08/08 Pov! vol.3 川田十夢さん(AR三兄弟:長男) [...]

  2. 2009/08/14 9:27 AM
    Commenter : SCHEMA | インタビュー掲載について | ALTERNATIVE DESIGN++

    [...] “普通の人とは違った角度からものごとをとらえる人たちにフォーカスをあて、その人が見ている世界はどういったものなのか、また、いつからそんな視点でものごとをとらえるようになったのかを探っていく” SCHEMA Pov! にて、川田十夢(cmrr_xxx)の単独インタビュー記事が掲載されています。前回ご紹介した誠 Biz.IDのインタビューはビジネス・ロジックに重点を置いた内容でしたが、今回はクリエイティブ視点の内容となっていますので、そういった指向性のある若い方には読みやすいかも知れません。読み応え十分!是非ご一読ください。 SCHEMA Pov! 掲載記事URL: http://www.llschema.com/pov/2009/08/08/368.html [...]

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