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Pov! vol.2 小野寺奈緒さん(イラストレーター)

Pov!の第2回は、かわいいオヤジイラストを描くことで人気のイラストレーター小野寺奈緒さんです。スキーマとしては小野寺さんの人間性がわかるような質問を色々と投げかけてみました。

◇衝撃の“国際結婚”にまつわるエピソード

- SCHEMA 志連 (以下、SCH)
実は小野寺さんと僕は一緒に働いてたことがあるんですよね。あの時ってまだ学生だったわけですよね?まさか小野寺さんがこんなに活躍するなんて思ってなかったです。笑
- 小野寺さん (以下、Dera)
もう5年くらい前?の話ですよね。志連さんがデザイナーとして朝から晩まで寝ずに働いていたのを知ってます。朝出社したらデザイナーチーム全員が床に転がってましたよね。笑
懐かしいですね~。
- SCH
確かに懐かしすぎます。笑 その当時、小野寺さんのイラストを幾つか見せてもらった中でものすごく衝撃を受けた作品があって、今でも強く印象に残っているんですけど、“国際結婚”ってタイトルです。
- Dera
(小野寺さん、大爆笑)

あれはほんと地味な作品なんですよ。でも気に入ってくれて嬉しいです。スージー甘金さんも褒めてくれました。「金髪を金で塗っちゃうあたりが短絡的でいいねぇ~」って言われました。笑
- SCH
“国際結婚”は本当に感動したのを覚えてます。あの作品を見て他の絵も見てみたいって思って色々と見せてもらった覚えがあります。そしたらどれも視点がおもしろくって、この子、天才かも!?って思いましたよ。
- Dera
笑 ありがとうございます。当時もそうやって言ってくれましたよね。覚えてますよ。ちなみに国際結婚のイラストはスキーマのサイトに載せるんですか?
- SCH
そりゃー載せますよ。
- Dera
いやですよー!笑 載せるんなら20歳の頃って画像の下に入れておいて下さいね。じゃないと仕事来なくなるんで。
- SCH
いやいや、この作品はもっと推していった方がいいですよ!間違いなく仕事来ますよ。笑
ちなみに、あの作品ってなんで描こうと思ったんですか?
- Dera
えーっと。外国人と付き合う日本人女性はだいたいブスだっていうことを表現しました。
- SCH
笑 まんまじゃないですか!もっと言い方変えた方がいいですよ。活字にしたらめちゃくちゃ嫌な奴になりますよ。
- Dera
まぁ、あの頃は曲がってましたね。笑 結構決めつけで描いてました。

あの絵の日本人女性は黒髪ロングなんです。そういう人は欧米人にモテるんですよ。そして、だいたいそっから調子にのってくるんですよねー、「外国人と付き合ってるのよ、わたし」みたいな、「特別感!優越感!」みたいな。笑 なんかそういうのを考えて描きました。
- SCH
やっぱりバカにしてますよね。笑
- Dera
(小野寺さん、大爆笑)

ただ、絵自体には悪意は出てないと思いますよ。そんな彼女も幸せなんだろーなぁーって思って描いてるので絵に悪意は出ないんです。微笑ましい感じに仕上がってると思います。
- SCH
その際どいラインが小野寺さんのイラストの特徴ですよね。
- Dera
実際、このイラストを見た人もそういう雰囲気を読み取る人もいれば普通に「国際結婚かぁ」って見る人もいると思います。それでいいんだと思います。

大爆笑小野寺奈緒

◇おやじイラストを描く理由とは

- SCH
小野寺さんは、気づいたらオヤジイラストで有名になってましたが、いつからオヤジイラストを描くようになったんですか?
- Dera
おじさんを描くようになったのは、お父さんの似顔絵を描いたのがきっかけです。当時、ちょっと画風に悩んでる時期があって、お洒落な絵ばかり描いてたんです。けど、完全にこれじゃつかいものにならないってなってて、壁にぶちあたり、気まぐれでお父さんのイラストをギャグテイストを交えながら描いてたら周りの反応がすっごく良くって。かわいい!かわいい!って評判になり。そっからおじさんを描くのが楽しくなってきてどんどん描くようになっていったんです。
- SCH
小野寺さんのイラストっておやじイラストだけではなくどの作品もちょっと斜めに見てますよね。あれは意図的にそうしているのですか?
- Dera
やっぱり意識して描いてるところはあります。まず最初にタイトルつけて物語りをつけてくんですけど、あまり意図してることを押し付けたくはないと思っています。例えば国際結婚のイラストを見てもみんながみんな「外国人と付き合う女性=ブサイク」って感じとるわけじゃないじゃないですか。なので、わかる人にはわかるみたいな。そういうラインで描くようにしてます。
- SCH
モチーフはどっから拾ってくるんですか?
- Dera
友達との会話から思いついたりとか、雑誌の見出しとかで気になったのをタイトルにしてイラストにしたりしてます。あとはビジネス本とか自己啓発本とかは、イラストにしやすいですね。あぁいうのってだいたいみんな悩んでるじゃないですか。「上司に不満がある」とか「隣の席の人の話し方が気になる」とか。そういう悩んでいる姿が面白くって描いたりしますね。
小野寺奈緒ベロ出し

◇イラストレーターになりたいと思ったきっかけ

- SCH
小野寺さんは、昔からイラストレーターになりたいって決めていたんですか?
- Dera
幼い頃、雑貨屋さんによく通ってたんです。そこで食器とかにかわいいイラストが入っているのを見かけて、自分でもやりたいって思ったのがきっかけです。それで先生に相談したら「それはプロダクトデザインだね」って言われてデッサンとか習ってたんですけど、よくよく考えてみたら単純に自分の絵をプリントしたいだけだってことに気づいて、そしたらイラストレーターだなってことで。あとはひたすらイラスト描くしかない!みたいな感じです。
- SCH
なるほど、だいぶ前からすでにイラストレーターになるためのビジョンがしっかりあったんですね。
- Dera
そうですね。ほぼイラストのことしか考えてこなかった人生なので、あまり寄り道はしてないですね。
- SCH
よく質問されるかもしれませんが、小野寺さんは自身が過去にサラリーマンとかOLになっていないのになんで、サラリーマンのあるあるネタとかを上手くとらえることができるんでしょうか。昨年、全編小野寺奈緒イラストの「オヤジ★ジェスチャー」って本が出ましたよね。あれは、どういった経緯で話がきたんですか?
- Dera
確かによく聞かれるんですけど、単純に普通のことが好きというか、例えば「世界各国を旅してます」とかって人よりも普通の会社員が「あいつ給料いくらもらってんのかな?」みたいな会話の方が好きなんです。なので、たまたま会社ネタが多くなるんですよ。それと、「オヤジ★ジェスチャー」の本ですが、とあるライターの方がおじさんを描く21歳の女の子がいるってのをどこからか聞きつけてくれて、エキサイトニュースで私をインタビュー記事にとりあげてもらったんです。で、そのエキサイトの記事を見たデザイン事務所の方がおじさんネタの話があったら小野寺さんに頼みたいって言ってくれてて、その企画が昨年ようやく実現したっていうことなんです。

オヤジジェスチャー

- SCH
今、小野寺さんのイラストってフリーペーパーのR25とかL25によく載ってるじゃないですか。あれはどういった経緯でお仕事もらってるんですか?
- Dera
あれは、私が売り込みました。普通に、電話して作品ファイル送らせて下さいって言って。意外にはまったのかイラストレーターを探しているタイミングだったらしくファイルを送ってからすぐに連絡をもらいました。
- SCH
売り込み用のファイルって、どれくらいの作品数を送るもんなんですか?
- Dera
人にもよると思いますが、送る用だったら通常10ポケットくらいのA4クリアファイルに、最初プロフィールがあって、前半にオリジナル作品、後半に最近の仕事の作品を入れる感じだと思います。出版社とかデザイン事務所では保管するポートフォリオは立てて並んでしまうので、背表紙に自分の名前とか作品が見える感じにしてあげると良いと思います。

小野寺奈緒食事

◇イラストレーターとはどういうこと?

- SCH
普通の質問なんですが、尊敬するイラストレーターはいますか?
- Dera
やっぱり寄藤文平さんですよね。説明図の描き方がすごくって、寄藤さんのイラストって記事を読みたくなるんですよね。大人たばこ養成講座とか「この記事に、このイラスト描くんだ」みたいな、イメージの膨らませ方とかいいですよね。仕上がりも格好いいし。尊敬してます。

最近だと、スージー甘金さんが熱くて、ちょっと私も“塗コミックス”に挑戦しようかなぁーって思ってたりします。“塗コミックス”ってコマ割りマンガをアクリルとかで塗ってくんですけど、スージー族みたいな人たちがいて、例えば白根ゆたんぽさんもそうだし、マー関口さんとか花くまゆうさくさんとか。みんなスージーさんの事が好きなんですよ。私も大好きです。スージーさんの場合、生き方自体が好きっていうところもあります。うっかりカルチャー生んじゃったみたいな、ただ絵を描いてたらみんなが勝手についてきた、みたいな。生きてるだけで文化が生まれてく感じがすごいと思います。実際にお会いしても、すっごい自然体の人で素敵すぎるんです。
- SCH
なるほど、スージーさんの場合は、イラストに限らず人間性に惚れこんでる感じですね。
- Dera
ほんともうイラストっていうのはまるまる人間性なんですよ。祖父江さんに作品を見てもらった時に「僕たちデザイナーは、イラストを見てるんだけど、イラストを通して描いてる人を見ているから」って言われて、は!っとして、あ、この人の前じゃごまかしきれないわ、みたいな。初めてファイル見てもらった時は、もう完全丸裸にされた気分でしたよ。全裸です、全裸。笑 しまいには「楽しい人ですね。」って言われて、あ、完全見抜かれたーって思いましたね。何も喋ってないのに。笑

で、絵とか見ても「ここ塗りたくないのに、塗っちゃったでしょ。これ、やめていいんだよ。ここまで塗りたくなかったら」とか言われて、全部あたってて。さらにびっくりしたのが「あ、これすごく楽しんで描いたんじゃない?」って言われて、その絵はただイカが寝そべってる絵なのに、え!なんでわかるんですか!?っていう。確かにそのイカの絵を描いてる時は革命的に楽しくなって描いた絵なんですよ。“みんながいればそれだけで楽しい3”っていうタイトルなんですけどね。笑

みんながいればそれだけで楽しい

結局、全部バレるんですよね。
だから、楽しく生きようみたいな考えになっていくんですよ。イラストを見てもらうってことは小野寺奈緒を見てもらうってことだから、楽しいイラスト描くためには楽しい人じゃないとダメなんです。
だから私は毎日遊び続けますよ。笑

イラストは自分を隠しきれないんで。

- SCH
小野寺さんと小野寺さんの作品を見てるとわかる気がします。

小野寺奈緒覗き込み

- 編集後記 -
祖父江慎さんに、イラストから人間性を読みとられる話は興味深かったです。プロの目はごまかせないんですよね。イラストに限らずどんなお仕事でも人間性っていうのは100%出るものだと思います。僕ももっと毎日遊んだ方がいいかもしれないですね。一緒に仕事するならつまんない人より楽しい人の方がいいのは間違いないので。
それと、小野寺さんのすごいところはコミュニケーション能力なんです。活字じゃ全然伝わらないと思うので、ぜひ動いてる小野寺奈緒さんに会って欲しいです。

( インタビュー日:2009/06/27/sat )




◇動画で小野寺さんの雰囲気をお伝え




Author : shiren


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